電気制御機器/電気部品

マイクロスイッチ:概要から使うまでを【5項目】で解説

このページでは
物体の位置を検出するセンサーである
マイクロスイッチについて
解説します。

詳細な説明は
マイクロスイッチのメーカーの
技術資料に任せ、

ここでは、マイクロスイッチを
実務で電気制御設計・
故障修理などで扱っている
エンジニアの立場で

マイクロスイッチを
最近知った、使い始めたという
初心者の方を対象に

これだけは知っておけば
使えます、使ってます
という内容で解説することに
しました。

メーカーの技術資料は
さすが製造しているだけあって
色々と詳細に書かれていますが、
初心者には読み進めにくいかな

と考えてのことです。

上はこのページも目次です。

マイクロスイッチを
知って使う上で
とりあえず
1項~5項を抑えてください。

1.マイクロスイッチとは

マイクロスイッチマイクロスイッチ

上写真が
マイクロスイッチの一例です。

現在、様々なセンサーがあります。

温度センサー、圧力センサー、
流量センサー、水位センサーなど、
まだまだあります。

今挙げたセンサーは名称から
だいたい何をするセンサーか
分かるかと思います。

マイクロスイッチは
物体の位置を検出するセンサーです。

例えば、エレベーターが
1階から2階へ移動させたいとき
2階の位置まで到達したことを
検出することです。

物体(エレベーター)の位置を
検出しています。

ちなみに、エレベーターは
誰もが知っているので
説明しやすいから書いています。

エレベーターでは
マイクロスイッチは使ってないと
思いますので。。。

2.アクチュエーターで検出

マイクロスイッチの仕組みは
機械動作なので、それほど
理解が難しくないと思います。

物体の位置を、どう検出するかは
下写真の赤四角部、
アクチュエーターで行います。

マイクロスイッチのアクチュエータ部マイクロスイッチのアクチュエータ部

このアクチュエーターは
押すことで動作し、
やめると、バネで元に戻ります。

このアクチュエーターを
押すことで検出します。

使い方としては
先程のエレベーターでいうなら
元々、2階で検出したい位置に
マイクロスイッチを取り付けます。

エレベーターが2階へ
移動してきた際、エレベーターで
アクチュエーターを押せば
検出完了です。

もちろん、エレベーターの
かご(ゴンドラ)とか
大きい物体で直接
押すのではなく

下絵のようにドグというものを
適切な場所につけて、それで
検出するようにするのです。

ドグを検出ドグを検出

マイクロスイッチは
様々な応用ができます。

例えば、ドア(扉)の位置検出でも
使われます

ドア締まったときに、アクチュエータを
押すようにしておけば
ドアの開閉を検出できます。

小さい機種だと
家電製品の中でも使われてます

全て同じアクチュエータでは
用途によっては使いにくいです。

そのため下写真のように
様々な形状のアクチュエータが
準備されています。

色々なアクチュエーター色々なアクチュエーター

用途によって使分け、
そしてドグの形状も工夫します。

これは主要メーカーの1つである
オムロンのカタログの1部は抜粋した
ものです。

アクチュエータの選定アクチュエータの選定:オムロンHPより抜粋

だいたい自分が使う形状は
決まってきます。

私の会社でも
よく使う形状は在庫として持ち
それでは使えそうにないときは

カタログをみて適切そうな
ものを探しています。

全てのアクチュエータの
動作等は知らなくても
使えています。

3.接点

マイクロスイッチは
アクチュエーターで検出しますが

アクチュエータを押すことで
内部の接点を動作させています。

接点はON/OFFするスイッチと
考えてください。

a接点、b接点、c接点とあります。

マイクロスイッチの接点マイクロスイッチの接点

a接点は開路(OFF/非導通)状態から
閉路(ON/導通)になる接点

a接点a接点

b接点は閉路(ON/導通)状態から
開路(OFF/非導通)になる接点

b接点b接点

c接点は共通端子(COM)があり
開路と閉路が切り替わる接点です。

c接点c接点

この接点については
以下のサイトで説明していますので
これで不十分な場合は参考ください。

シーケンス回路設計の基本とは

マイクロスイッチの接点は
シーケンス回路などの電気回路内で
接続して使います。

アクチュエーターで検出→
接点が動作→
電気を導通/非導通させる

こういった流れです。

接点の動作で電気信号を変化させる接点の動作で電気信号を変化させる

例えば、
ここまでの説明で使った
エレベーターで考えるなら

かご(ゴンドラ)が2階へ
向けて上昇し、

2階の位置まで来たら
検出し、接点を動作させ
電気の導通/非導通を変えて

上昇させるモーター
停止するように
回路内の電気信号を変えて

モーターを止めて
2階でかごを位置決めする

こんな感じですね。

マイクロスイッチの接点は
機械的接点で有接点スイッチとも
呼ばれます。

接点スイッチには他に
無接点スイッチがあります。

マイクロスイッチとは
関係ありませんが
以下のページ中で
無接点スイッチについて

説明していますので
興味があれば参考ください。

→オートスイッチとリードスイッチとは

4.配線について

マイクロスイッチは端子
下写真のようにネジ式、半田つけ
のものがあります。

マイクロスイッチの端子マイクロスイッチの端子

接続部はNO,NC,COMと書かれて
ものが多いです。

マイクロスイッチのc接点マイクロスイッチのc接点(COM,NO,NC)

この接点構成は前項で解説した
C接点です。

COM端子には電線は必ず接続し
a接点を使いたい時はNOに、
b接点を使いたい時はNCに
接続して使います。

5.電流について

マイクロスイッチの接点は
定格電流といって流していい
電流の限界値が決められています。

私は制御盤の中にある
AC400V以下の電圧で使う
電磁リレーなどのON/OFFスイッチに
使うぐらいなら気にしたことは
ありません。

(制御盤については
 以下をクリックして参考ください。
→制御盤とは)

(電磁リレーについては
 以下をクリックして参考ください。
→電磁リレーとは)

その他、モーターや大きな照明の
ON/OFFなどの主回路のスイッチに
使ったり

操作回路の電源が直流電圧のとき
以外は、
(*直流の方が定格電流値は下がる)

交流400V以下の
シーケンス制御の操作回路内の
スイッチに使う程度なら
気にしません。

それは、マイクロスイッチの接点の
定格電流は数Aはあり

操作回路の負荷に使う
電磁リレーや電磁接触器のコイル電流は
数百mAも流れないからです。

(電磁接触器については
 以下をクリックして参考ください。
→電磁接触器とは)

調べるのも面倒なので
気にせず使っています。

ただ、注意としては
マイクロスイッチにも
色々種類があります。

プリント基板で使うような
品種は私は使ったことが
なく、小型の分
定格電流値は低いと思います。

下写真のようなサイズを
普段私は扱うので
これについてだと考えてください。

機械設備に取付るサイズのマイクロスイッチ機械設備に取付るサイズのマイクロスイッチ

この項で書いたことを
理解するにはシーケンス制御の
知識があった方が良いです。

以下のサイトで説明していますので
参考としてください。

シーケンス制御については
 以下をクリックして参考ください。
→シーケンス制御とは
→シーケンス制御講座

PLC(シーケンサ)については
 以下をクリックして参考ください。
→PLCとは
→シーケンサ講座

6.メーカー

マイクロスイッチのメーカーは
多くあります。

オムロンやPanasonicなど
他にも検索すれば多く見つけることが
できます。

私がよく見る/使うメーカーは
オムロンですね。

私の会社では工作機械の
電気故障の修理もしますが
マイクロスイッチはオムロン製を
見ることが多いです。

他社を多く扱っていないので
確たることはいえませんが
性能的には差はないと
推測しています。

こういった汎用的な
電気制御機器をは他の製品も
差を感じないという経験から
のことです。

7.まとめ

だいたいこれぐらいでしょうか

取付は、ネジで取付などの
簡易な機械作業目で
目で見て分かるので
基本問題ないでしょう。

マイクロスイッチを
使いこなすためには電気回路、
シーケンス制御の知見が必要で

これは目に見えないので
勉強する必要はありますね。。。

以下のページで目的別で
薦めれる本も紹介していますので
参考としてください。

→シーケンス制御の参考書

冒頭でメーカーの技術資料に
ふれましたが

このページでは内容不足、
物足りないと段階になったら
目を通してみてください。

私も勉強になっています。

初心者のための講座へ-以下の画像をクリック!
設備保全入門のバナー