シーケンサ

三菱シーケンサの故障事例と対策

シーケンサは機械における「心臓」とも
言える部分であり、機械を動かす上で
とても大事な電子機器です。

しかし、そんなシーケンサでもいつかは
必ず故障が起きてしまいます。

そんな故障事例と対応策をいくつか紹介します。

シーケンサについて分からない場合は
まずは以下のサイトで概要を学習してください。

PLCとは、シーケンサとは何?

姉妹サイトで内容は
被る部分はありますが
PLCについて概要を書いていますので
以下のサイトも参考ください。

PLCとは何かの基礎から11項目で解説する

バッテリー切れ

一つ目の故障事例は、バッテリー切れによる
データ消滅です。シーケンサにはバッテリー
がついており、使い始めて一年、二年などで
は心配は要らないと思いますが、五年など長
期で使用していると必ずバッテリー切れにな
ります。

バッテリー切れになる前、シーケンサの表示
ランプにて警告ランプが点灯するのですが、
警告ランプを無視し、更にシーケンサへの電
源供給を完全にOFFにするとバッテリーが
切れてしまいます。

その際に起きる症状が「データの消滅」です。

このデータの消滅を防ぐためには、

・定期的にバッテリーを交換する

・プログラムのバックアップを確実に取っておく

以上の事が重要になります。

定期的にバッテリーを交換する

定期メンテナンスということですね。
シーケンサの導入時、あらかじめその日付を書
いておき、三年毎に新品のバッテリーにで交換
する。など、簡単なことですが、確実に行う事
が大切です。

プログラムのバックアップを確実に取っておく

もしもデータが消滅したときにすぐに同じプログ
ラムを書込できるように、必ずバックアップは取
って置きましょう。

ここでよく起こる問題なのですが、「導入初期の
データをバックアップを取っておいたがプログラ
ムを改良し、改良後のバックアップを取っておか
なかった」ケースです。これではバックアップを
取っておいても意味がないので、必ず最新のバッ
クアップデータを取っておく事が大切になります。

なお、稀にですが、バッテリーは問題なしでもあ
る日突然データが消滅するケースもあります。こ
れを予測することは不可能なので、やはりバック
アップデータを取っておくことは非常に重要な事
です。

内部リレーの故障

二つ目の故障事例はシーケンサ内部リレーの故
障です。内部リレーの故障により出力(Y)が正
しく出力されない現象です。これはいくつかパタ
ーンがあるのですが一番厄介なのは、「シーケン
サの出力ランプは点灯しており、出力しているは
ずなのに出力できていない」場合です。

(シーケンサの内部リレーについては⇒内部リレーやタイマーについて)

この場合、故障を発見しずらくなります。出力ラ
ンプは点灯しているのですが、GX WORKS
など、専用のソフトにてモニタすると、出力され
ていないため、そこで初めて故障原因に気づく事
になると思います。

シーケンサ内部リレーの故障を防ぐには、

・シーケンサ本体の内部リレーとは別に外部にリ
レーを使用する

以上の事が重要になります。

内部リレーの接点不良は、「絶対に防ぐ」というこ
とはできないので、「接点の寿命を長持ちさせる」
対処しかありません。

シーケンサ本体の内部リレーとは別に外部にリ
レーを使用する

例えば、内部リレーの接点でソレノイドをONする
ための出力を出したいときに、
シーケンサ→ソレノイド ではなく、
シーケンサ→リレー→ソレノイド といったように
二重でリレーを使用するようにします。

(ソレノイドについては
 以下のサイトを参考ください。
→ソレノイドとは)

こうすることで、シーケンサ内部のリレーを保護す
ることができます。ソレノイド等が不良になり、大
きな電流が流れたとき、シーケンサから直接ソレノ
イドに接続すると、内部接点に大きな電流が流れて
しまい、内部リレーの寿命を短くすることになりま
す。

しかも、外部リレーなら簡単に取り換えすることが
でき、接点の不良もわかりやすくなるため故障の際
に発見を早めることにも繋がります。(外部リレー
の接点が黒くなっているから内部リレーの接点もそ
ろそろ寿命かな?など)

入力故障

三つ目の故障事例は、入力の故障です。入力信号
(X)が入らなくなり、機械を動作させることがで
きなくなります。原因としては、経年劣化による接
点不良が主に考えられます。こちらは予防のしよう
がないので、発生したら別の入力に移し替えるか、
シーケンサ本体を交換しましょう。

電源の故障

四つ目はの故障事例は、電源が入らない故障です。
シーケンサに電源供給は確実にきているが、入力
出力ともにランプが点灯しなくなり、動作するこ
とができなくなります。これは、バッテリーの寿
命、経年劣化、設置環境によるものが原因だと思
われます。

電源が入らない故障を防ぐためには、設置環境を
整えておくことが重要になります。設置環境とい
うのは、電源供給が正常にされているかどうかと
いうことです。シーケンサの電源がDC24Vで
動作するものに、AC100Vや200Vの電圧
がかかるようでしたらシーケンサはすぐに壊れて
しまいます。

シーケンサだけに限らないのですが、AC200V
or 100Vの電圧を、パワーサプライ又はダウ
ントランスを使いDC24Vに変換する場合は、
パワーサプライ又はダウントランスと機器(シー
ケンサ等)の間にCP(サーキットプロテクタ)の
ような電気機器保護用ブレーカを取り付けるよう
にしましょう。

CPを使用しておけば異常電圧をシーケンサにか
けることを防ぐことができます。

以上の四つが三菱シーケンサにおける故障事例です。
よく起こる故障なので覚えておくといざというとき
に役にたつと思います。故障は事前に防げるものも
あれば、経年劣化によりいつかは必ず起きてしまう
ものもあります。

いつかは必ず起きてしまう故障も、対策次第では
シーケンサの寿命を大きく延ばすことができます。

当方では、実習キット付の
シーケンサ入門教材も扱っております。

39題以上の実習課題があり、
パソコンのソフト上で作成して
実際に動作させて学習していきます。

初心者でも自宅で独学できるよう
(学習サポートもあります)
つくっています。

このブログサイトでも紹介していますが
(⇒初心者のためのPLC入門)

本サイトでは詳細に紹介していますので
以下のボタンをクリックして
内容を確認をしてみてください。

【初心者が手頃に手際よくシーケンサ技術
を習得する方法とは】
詳細へのボタン

 
 

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