インバータ

インバータの発熱と冷却用ファンの故障について

このページでは、インバータの
故障の一例として冷却ファンの
故障について書いております。

インバータについては
以下のページを参考ください。

→インバータとは?概要の79%まで分かるよう15項目で解説

インバータは色々なメーカーから
販売されていますが、
三菱電機の汎用インバータの
仕様で書いています。

1.インバータの寿命を短くするもの

インバータも使用していると
いつかは故障します。

その寿命を短くする要素の1つとして
「熱」があります。

これは電子機器共通ですが
過度な熱は電子機器には大敵です。

インバータ内部の各電子部品は
寄生抵抗を持っていますので
電流を流すと熱を発生します。

外部からではなく
そのような自分で発生させた熱でも
寿命を短くしてしまいます。

インバータはパワー半導体があり、
それをスイッチングさせています。

パワー半導体には大きな電流が
流れますので、特に熱を発生
させます。

インバータ内部では熱の影響を
低減して寿命を長くするために
対策がとられています。

2.冷却ファンと冷却フィン

インバータに熱は大敵なので
インバータ本体に内部の熱を
放熱する部品がついています。

その部品が下写真の
冷却ファンと冷却フィンです。

インバータの冷却フィンと冷却ファンインバータの冷却フィンと冷却ファン

冷却フィンで
発熱した部品から熱を奪います。
(接触させることで熱を伝道させる)

熱を奪い熱くなった冷却フィンを
冷却ファンで放熱する、
そういった流れになります。

パソコンに詳しい方なら
分かると思いますが

発熱するCPUに熱を奪う
ヒートシンクを接触させ
CPUファンで熱放散させています。

あれと同じ感じです。

この大事な冷却ファンも
いつかは故障します。

3.冷却ファンの故障とインバータのエラー

私が経験した
冷却ファンの故障を紹介します。

動作しない

電源投入しても回転しない、
動作しない故障があります。

冷却ファンが動作しないと
いうことはインバータ内部で
発生した熱が放散されないと
いうことになり、故障の原因になります。

インバータは、故障の原因となる
異常が起こると保護機能が
作動し、インバータの動作を止めたり、
アラームを出したりします。

インバータは異常が発生したら
下写真のように操作パネルの

ディスプレイに異常内容に
応じて英数字を変えて異常内容を
知らせてくれます。

インバータのトリップ例インバータのトリップ例

冷却ファンの異常でも
同様に保護機能が働きます。

冷却ファンの異常では
Fnの表示、もしくは
それに関連する異常として
E.Finのエラー表示がでます。

Fnはファン故障というエラー名称で
ファンが故障していないかどうかを
警告するアラームです。

このアラームは軽故障といって
発生しても動作を停止しません。

使っていると、Fnの表示が
頻繁に出て異常を知らせてくれます。

E.Finはフィン加熱というエラー名称で
その内容は、冷却フィンが過熱すると
温度センサーが動作し
インバータの出力が停止します。

このエラーでは警告ではなく
インバータを停止させます。

このエラーも冷却ファンに
関わってきます。

冷却ファンが動作しないと
冷却フィンの放熱ができないからです。

冷却ファンが動作しない故障の場合、
経験上、

インバータを動作(始動)することは
できますが、Fnのエラーがでて
そのまま無視して使うと、しばらくして
E.Finで停止しますね。

冷却ファンで冷却フィンを冷却しないので
このエラーの流れになります。

負荷にもよると思いますが、
動作させて、数分で停止しました。

そして、しばらく時間をおくと
冷却フィンが自然に冷めるので
始動できるようになりますね。

冷却ファンは故障したままなので
この繰り返しになります。

ベアリングの故障

冷却ファンの
動力はモーターです。

長期間回転させると軸受の
ベアリングが摩耗し、
異常音がではじめます。

正常なら、ほとんど音がしないので
明らかに異常とわかります。

音され我慢すれば
しばらくは使えますが
そのまま使い続けると軸が
ぶれるなどして使えなくなります。

インバータの冷却ファンほどの
小型ではありませんが
ベアリングの故障については

以下のページで解説していますので
ご参考ください。

→モーター(三相誘導電動機)の故障対処について

4.修理方法

冷却ファンの修理方法は
新品交換になります。

下写真は、あるインバータの
冷却ファンです。

インバータの冷却ファンインバータの冷却ファン

取付・取外可能で
冷却ファンだけ部品で販売されています。

方法は以下のような
マニュアルに書かれているので
それに沿って行います。

冷却ファンの取り外し:三菱電機のマニュアルより冷却ファンの取り外し:三菱電機のマニュアルより
冷却ファンの取付:三菱電機のマニュアルより冷却ファンの取付:三菱電機のマニュアルより

5.まとめ

このページでは
インバータの故障内容の1つである
冷却ファンの故障について
書きました。

インバーターを熱による
故障から守る冷却ファンを
大事な部品だということが
分かってもらえましたでしょうか。

ただ、インバータの使用する際
冷却ファンさえ動作すればいいと
いうわけではありません。

インバータを設置する制御盤内の
熱にも注意することが必要です。

(制御盤については
 以下をクリックして参考ください。
→制御盤とは)

冷却ファンが動いても
周囲が熱いと故障もしくは
寿命を短くする原因になるからです。

インバータの熱が逃げやすいように
インバータに接近して他の部品を
設置しない工夫をするとか

制御盤にファンをつけて
盤内の熱気を外部に放出すると
いったこともよくします。

治具を使って冷却フィン部を
盤の外に出すということも
します。

このあたりについては
写真付きで以下のページで
説明していますので
ご参考ください。

→インバータの故障と対応策と取付の注意

あなたが、インバータ初心者で
今後 設置・使用するときが来た時、

ただ動作させればいいだけではなく
熱や冷却ファン・フィンに注意すれば
良い仕事ができると思います。

当方では、このページで説明した
汎用インバーターの初心者向けの
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