このページでは
リモコンリレーについて
説明しています。
(リレーについては
以下のページを参考ください。
→リレーとは何か)
リモコンリレーは電気に関わる方、
特に電気工事士の方は
扱うことが多い電気制御機器です。
そうでない方にとっても
実は身近にある機器ですので
この機会にぜひ知ってください。
1.リモコンリレーとは
上写真が
リモコンリレーです。
リモコンリレーとは
わかりやすくいうと
遠隔地にある電気製品を
入切(ON/OFF)するスイッチです。
リモコンというと、テレビなどの
リモコンを想像されるかもしれませんね。
テレビのリモコンは電線がない
無で信号を送信して遠隔操作します。
リモコンリレーは
電線で接続し、電線で信号を送り
遠隔地の機器の操作をします。
リモコンの定義は
無線/有線に限らず機器を
遠隔地から操作する/コントロールする
機器となります。
(リモートコントローラ)
リモコンリレーを使って操作する
(ON/OFFする)主な機器は
水銀灯、LED、蛍光灯など照明です。
2.配線図と動作の仕組み
配線図とともに全体として
どのように動作して照明を
点灯させるのか、その仕組みを
説明します。
上の図は
PanasonicのHPから抜粋した
リモコンリレーの配線図です。
色々書かれていますが
1つ1つ分解して説明していきます。
リモコンリレー
まずは、緑枠で囲んだ
リモコンリレーから説明します。
Ry1~Ry6が書かれており
これはリモコンリレーを6台
設置している例となっています。
下図を元にリモコンリレーの
動作を説明します。
説明のため
各端子に①~⑥の番号を付けました。
リモコンリレーはわかりやすく
いうとスイッチだと前述しました。
スイッチのON/OFFは手動ではなく
電気でON/OFFさせます。
使用電圧を印可することで
スイッチをON/OFFさせるのです。
この使用電圧は①②端子間印可します。
このリモコンリレーはAC24Vが
使用電圧です。
③④⑤⑤端子はスイッチになります。
下図のような構成になり
使用電圧印可時はスイッチは閉じて
つながる(導通)します。
ですので、下図のように
照明と照明の使用電圧の電源を
接続することで、照明をON/OFF
させることが可能です。
これがリモコンリレーの
動作概要になります。
リモコンリレーの使用電圧を
入切して、照明への電源電圧を
入切するのです。
③~⑥の照明を入切する端子には
定格電圧300V、定格電流20Aなどと
いった定格があります。
照明の使用電圧、最大電流に応じた
機種を選定していきます。
この例は単相交流の2本の線を
入切する両切りでしたが
片方だけの片切りもあります。
リモコントランス
赤枠で囲んだ
リモコントランスについて
説明します。
下写真はPanasonicの
リモコントランスです。
リモコントランスはAC100Vや
AC200Vなど商用電源の電圧を
リモコンリレーの使用電圧へと
変圧する役割で使います。
リモコンリレーの使用電圧は
一般的にAC24Vが多いので
リモコントランスで変圧する電圧も
AC24Vのものが多いです。
照明をON/OFFする主回路とは違い
リモコンリレーを操作する
操作回路ですので、感電しても
大事故にならない電圧へ下げます。
リモコンリレーの操作回路に
限らず、
他のシーケンス制御等の
電気制御の操作回路でも
主回路から降圧した電圧を
使うことはよくあります。
主回路と操作回路については
以下のページを参考ください。
セレクタスイッチ
紫枠のセレクタスイッチに
ついては、イラストから
見たこと、触ったことがあると
思うのではないでしょうか。
照明を入切するために
人が操作するスイッチです。
セレクタスイッチで照明を
直接操作するのではなく
リモコンリレーを操作し、
照明を間接操作します。
次項の全体の構成の説明で
セレクタスイッチの接続に
ついても説明します。
全体の構成図
最後に、リモコンリレー1つの
単純な接続図で全体の動作を
説明します。
通常は電源はAC100VやAC200Vと
いった商用電源を使います。
電源電圧をリモコントランスで
AC24Vに降圧します。
AC24Vをリモコンリレーの
操作電圧とし、セレクタスイッチを
とおして、入切をする回路に
しています。
照明の使用電圧を
リモコンリレーの主回路の端子へ
接続、照明も接続して
照明を入切する回路をつくります。
セレクタスイッチで入切する
照明を増やしたい場合は
この項冒頭の配線図のように
リモコンリレーの数を増やします。
これが全体の動作になります。
3.方式について
リモコンリレーを使った照明の
制御にはいくつか方式があります。
ワンショットリモコン方式
前項で配線図を出して説明した方式は
ワンショットリモコン方式といいます。
前項の配線図からも分かるように
セレクタスイッチとリモコンリレーを
電線で接続して直接制御するため、
セレクタスイッチの
数量分の電線が必要となります。
多重伝送方式
リモコンリレーとリモコントランスの他に
伝送ユニット、リモコンリレー用T/U、
リモコンスイッチと必要ですが
ワンショットリモコン方式との
最大の違いは、セレクタスイッチに
あたるリモコンスイッチからの
電線数を2本にできることです。
そのためリモコンリレーの数量が
増えても電線数が増えないメリットが
あります。
そのためリモコンスイッチの数が
多い回路ではシンプルな配線接続が
可能となります。
4.リモコンリレーのメリット
リモコンリレーを使う前は
電磁接触器やパワーリレーを
使っていました。
パワーリレーは電磁リレーを丈夫に、
接点の定格電流が高い機種だと
考えてください。
電磁接触器については
以下のページを参考ください。
→電磁接触器とは
電磁リレーについては
以下のページを参考ください。
→電磁リレーとは何か
上写真が
電磁接触器、パワーリレー
ですが、リモコンリレーと
比較すると大きくなります。
一般的に盤の中に設置しますが
電磁接触器やパワーリレーを使うと
盤の寸法が大きくなりがちに
なります。
リモコンリレーはコンパクト
なので、使いやすくスペース、
コスト面でもメリットが
出やすくなります。
また、照明を入切する
スイッチを多くなる場合
多重伝送方式にすると
電線を少なくできるメリットも
あります。
5.メーカー
リモコンリレーのメーカーですが
個人的にはPanasonicのものを
よく見ますし、使います。